ACTIVITY -活動報告-

Archive of daily news

岩倉の家

2階に広々としたLDK、1階に個室を配置した、切妻屋根の家。敷地は旗竿状となっており、将来的には全方位を建物で囲われることが予測される状況であった。
そこで、多様なアクティビティの場となるLDKを2階に配置し、杉板の勾配天井にすることで、明るく開放的な内部空間を確保した。
開口部はビューポイントとなるような位置には設けずに、変わりゆく風景を等価に映し込むよう考慮し、同じ高さで均等に配置することにした。
一定のリズムで連続する開口部とは対照的に、レベル差のある床面・フラットな天井面・垂れ壁といった変化を部分的に設けることで、ひとつながりの空間を緩やかに切り替えている。1階は天井高を抑えることで落ち着く個室空間とした。
また、機能的な部屋配置と、行き止まりの無い動線とすることで、面積以上の広がりを感じることができるようにした。
さらに、階高を低く抑え、階段巾を広くとることで、1・2階の距離感を近付けるように配慮している。ガルバリウム鋼板のシンプルなヴォリュームと均等に配置された開口部、ヒノキ製の玄関扉によって、端整な佇まいの家となった。

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2020.02.21

モレラ岐阜 イートインスペース什器

岐阜県本巣市にある大型ショッピングモール「モレラ岐阜」内のイートインスペース、什器の設計。

スーパーや飲食店に面した通路の一画に、家具や什器を設置しイートインスペースを構成。
ベンチ型の什器には小さめのサイドテーブルを設置し、軽食を摂る際に使用することができる。
「イートインスペース」として場を囲わずに、什器で構成することで、境界のない通路兼簡易的なイートインスペースとして使われるスペースを目指した。

2020.01.20

Keita Matsunaga Exhibition

アメリカ、ロサンゼルスにあるギャラリー”Nonaka – hill”での陶芸家”Keita Matsunaga”の個展のインスタレーション。

単管パイプと単管用のクランプを用いて展示フレームを作成し、そこにTAB横山が撮影した写真をプリントしたターポリンを掛けています。

Installation : Keita Matsunaga + Masaki Yokoyama(TAB)
Photograph for Installation : Masaki Yokoyama (TAB)

2019.12.24

ST3 Records

ST3メンバーによるDJユニット”ST3 Records”の事務所兼ショップ(ちなみにレコードの販売はしていません。)とギャラリーになります。
スペースのベースとなる構造”KIOSK”に使う人が好きなようにカスタムできるようになっています。今回はレコードラックとロゴ、照明のバー等を取り付けています。

この構造フレーム”KIOSK”についてはお気軽にお問い合わせください。

所在地:岐阜県大垣市本町2-26 ST3 2F
URL:https://st3records.tumblr.com/

2019.12.24

SLBH04

だれにでも造れること

■SLBH(Super Low-cost Big House)シリーズ
造ることに興味がある。あるいは欲求かもしれない。この住宅は設計事務所が工事請負をし、設計士自らが設計はもちろん、現場監督、現場作業を行い、設計士・職人・施主の三者で行い造った建築物である。この3つの役割を担いながら、限られた予算内(1800万税別)で職人・施主と造り上げていくために、「図面を出来るだけ書かない」「素材を限定する」「構造・構成の単純化」「造り方の単純化」「余白を出来るだけ作る」といった事を試みた。

図面はもちろん書いたのだが、詳細図や納まり図を書いていない。それは設計作業量を減らすためでもあるが、図示しすぎない事は、より想像を生みだすのではないかと思うからである。三者が想像しき、最適なデザイン・ディテールを話し合い、アウトプットのみならず建築が出来ていくプロセスをも共有することを実践した。素材は各種下地、内外仕上げ、造作、家具、手摺などの垣根を越えてほぼ全ての要素をヒノキ(1等KD)材の30×40、30×105、105×105の流通材(3m・4m)にて構成している。素材を限定することで発注量が読みやすく、転用も出来るため端材はゴミではなく素材になる。その素材により家具が作られ、ピロティに作られる予定の小部屋のマテリアルになる。下地材は安価ではあるが、材としては十分な厚みがあり、質量を感じさせるディテールとすることで、奥行きのある重厚な仕上げとなった。

構造・構成は単純な2層で15本の通し柱により8個×2層のグリットを作っている。1階は筋交いに囲まれたピロティで中でも外にでも成りうる中間領域として存在している。2階は日常生活を受け止める気積の大きい一室空間として存在する。それらは、グリット状の通し柱と梁による単純な架構と、ヒノキ材を切ってビス止めする、材をそのまま積み上げるといった単純なディテールによって造られる。こういった設計・施工の手法を用いる事で、三者がフラットに設計から施工まで参加することが可能となった。三者で作り上げたこの住宅はここでとりあえず完成である。

この先、住まい手は「空間的余白」「施工的余白」「機能的余白」と、ここで得た経験をもとに、使い方の発見や拡張・縮小を続けていく。だれにでも造れるよう設計することで、施主・施工・設計の垣根を越えて関われる領域を広げ、 関与し続けられる場所、状況を作ることで皆が建築に愛着を持ち、 新しい家 づくりの枠組みを作ることができるのではないだろうか。そんなことを考え、今日も設計と施工を行き来している。

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※第7回JIA東海住宅建築賞2019 大賞 受賞

2019.09.04