ACTIVITY -活動報告-

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INTERSECTIONS -case09- Minoyanagi House × Yoshiatsu Yamaguchi


“INTERSECTIONS edit by TAB Journal”とはTABがこれまでに関わらせて頂いた場所や空間で過ごしている方々に焦点をあて、インタビューしていくコーナーになります。

第9弾として2014年4月に竣工した個人住宅「美濃青柳の住宅」にて住まい手であり、ギタリストでもある「山口義充」さんにインタビューをしました。完成してから約7年を経たこの住宅での住まい方や生活についてお聞きしました!

↑竣工当時の写真

 竣工当時の記事:ARCHIDAILY https://www.archdaily.com/567521/minoyanagi-house-tab

 

TAB:このプロジェクトはどういうプロセスを経て進んでいったのでしょうか?

山口:まずは薪ストーブを住宅に入れたい!という思いがあって、それを伝えました。薪ストーブが家の中心にあり、吹き抜けを介してそれぞれの部屋がくっついてくるような住宅になりました。薪ストーブは毎年使っていて住み始めたときはなかなか火をつけるのに苦戦しましたが、今は慣れたのですぐに火をつけれますね。もう我が家になくてはならない存在ですね!

(↑薪ストーブの着火するところを実演してもらう。本当にすぐに火がついて空間が暖かくなりました!)

TAB:住宅の大きさについてですが、この住宅は一般的には小さい住宅(延床面積69.20㎡)だと思うのですが、このサイズにした理由は何かありますか?

山口:小さい住宅をつくるつもりはなかったのですが、、、笑。予算との兼ね合いと住むことによってかかるコストなどを西田さんと山下さんと協議して、小さく楽しく住んでいくことにして設計が進んでいきましたね。結果的に小さくなったというか。

TAB:なるほど。数字でみると小さいという印象は受けますが、実際に訪れてみると吹き抜けがあったり、空間が段差で繋がっていたりするので狭さをあまり感じないですね。個人差はあると思いますが。

山口:そうですね。家は実際は小さいけれど、吹き抜けや段差や玄関の大きな開口部などがあることで広く感じます。なのであまり狭いと感じたことはないです。広い狭いという感覚じゃない部分はありますね。工夫のしがいがあります笑

↑現在の外観。庭には薪ストーブに使う薪が置かれている。

TAB:住宅が着工して、工事が進んでいく中で、山口さんもDIYで壁とか塗りましたよね!

山口:予算の兼ね合いで、コストを下げることが目的だったのでがんばりました!壁や床の塗装などやりましたね。壁は高いところがあるので塗れるところまで。TABのメンバーの方々に助けてもらいながら。。手すりなどの金物も地元の先輩にお願いして作ってもらいましたね!助かりましたね~。

TAB:壁、床塗りましたね~!竣工して7年経ちますが、住んでいて何か感じたことはありますか?

山口:前面の道路に対して斜めに家が建っているので友人からは「おまえんち斜めやな~」と言われます笑。けど、両隣に家が建っているので、この斜めによって光の入り方が変わっています。TABの山下さんが窓を開けたら隣の窓とならないようにと、気にしてくれて配置を考えてくれました。住んでみて感じるのは薪ストーブのある玄関+土間リビングが家の中では一番明るく、曇りはキッチンは電気をつける程度、キッチンの上の天窓からも光が入りますし良いです。建物全体が明るいというよりは場所ごとでの明るさがあるイメージですかね。

TAB:なるほど。場所ごとでの明るさがあることで、場所によっての過ごし方がいろいろありそうですね。薪ストーブのある玄関+土間リビングに竣工したときにはない収納棚や珈琲台用のカウンターがありますが、これはどのタイミングでつくったのですか?

↑珈琲の道具が並べられたカウンター収納

山口:薪ストーブのある玄関+土間リビングに新しく作った棚は子供が2人いるのですが、モノが増えてきて整理するためにどうしようかなぁと考えていた時に、イベントで久しぶりにあった友達が家具などを作っている仕事をしているということで、その友達にお願いしました。エアコンも棚の中に隠してもらいました。見た目がスッキリして気に入っています。珈琲台用のカウンターは引っ越してすぐのときは前の家で使っていた台をそのまま使っていたのですが、珈琲を煎れるためのカウンター+収納として収納棚を製作したときと同じ友達に作ってもらいました。どちらも素材は壁面と同じラワン材にしています。

TAB:タイミングがとてもいいですね!空間に合わせて作ってもらっているのでもともとここにあったっけ?と思ってしまう感じですね!そういえば、設計していたときはキッチン奥の部屋を分割して子供の部屋にすると話していましたよね!

山口:そうですね。子供が大きくなってきたので子供部屋をどうするかが次の課題ですね~。キッチン奥の部屋を分割したらモノを移動して~とかなんとかやっていると、最終的には自分はこのリビングで寝袋で寝ているかもしれないですね笑。いろいろ考えることは楽しいです。

↑One Tree Academyで演奏する山口さん

TAB:山口さんは住宅のオーナーの側面もありますが、ギタリストとしても活動されていますよね。IAMAS准教授ジェームス・ギブソンさんとのイベント「One Tree Academy」の音楽担当として会場のミュージックをお願いしましたね!当日は会場であたりが暗くなるまで生演奏をしてもらいましたね。

山口:会場でずっとギターを弾いてたね。そのイベントの後、ジェームスさんの紹介でダウンメーカーNANGAさんのムービーの音楽をやらせてもらいましたね。

TAB:そうでしたね!琵琶湖の映像に音楽がいい感じにはまっていますよね!(ムービーはこちら) 前に南原食堂でたまたまお会いしたときに、そのまま生豆(焙煎する前のコーヒー豆)を買いに行ったときがありましたよね?まだ引き続き珈琲の焙煎はしているんですか?

山口:もちろん!焙煎していますよ~!今日は珈琲を飲んでもらおうと思って準備しておきました!最近ではドリップパックもできるようになったので、登山行くときに持っていっています!

TAB:ドリップパックいいですね!焙煎を見せてもらっていいですか??

山口:もちろん!

↑キッチンで珈琲の手編焙煎

↑珈琲で休憩

TAB:なんか凄い贅沢な気がします。。。美味しいです。焙煎楽しんでますね~。

山口:手網焙煎なので焙煎のムラはありますが、自分の好みに合わせて調整できるから楽しいです。豆も好きな豆を選べますし。趣味の範囲だけど、なんかロゴとか作れたらなと思うんですけどね~。作れますかね??

TAB:作りましょう!

山口:お願いします!

※後日、山口さんの好きな燕岳の輪郭のスケッチをもとにロゴが完成!パッケージ試作を作ったり、ステッカーも印刷所に入稿して作ってみました!

 

Yoshiatsu Yamaguchi

11歳からギターを始めた。学生時代にストリートライブ、ライブハウスでのバンド活動をしてきた。メインデュオとしてSOUL、HipHop、昭和歌謡をMIXしたサウンド、「SameOleChillies(セイムオーチリーズ)」を「telchino(テルチーノ)」と2人演奏を行っている。2021 年4月にミニアルバルリリース予定。

バンド「TeedPeee」にギタリストとして昨年より参加し、HipHopトラックの生演奏、インストバンドとして活動の幅を広げている。ソロ活動としては、Rock, Jazz, Blues, SambaなどのジャンルをベースにイベントでのBGM演奏や楽曲製作など様々なジャンルを横断しながら活動中。2020年から幾見雅博氏に師事。

※手編焙煎山豆(YAMAME)については、instagramのDMでお問い合わせください。

instagram : @yamag_chillies

 

2021.03.26 information .

LiVES1月号別冊「すみごこち」に掲載されました。

LiVES1月号別冊「すみごこち」に掲載されました。
書店で見かけたら是非手にとって見てください。

2020.12.17 information .

INTERSECTIONS -case08- MATOYA × Atsushi Matoyama

“INTERSECTIONS edit by TAB Journal”とはTABがこれまでに関わらせて頂いた場所や空間で過ごしている方々に焦点をあて、インタビューしていくコーナーになります。

第8弾として2018年3月にオープンした「MATOYA」にお邪魔してMATOYAの店主「的山篤史」さんにインタビューを行いました。お店ができる前のことやMATOYAを運営をしていく中で気づいたことなど、また今後の展望についてお聞きしました。

TAB)MATOYAを始めたきっかけはどんな感じだったのでしょうか?

的山)大学を卒業後、家具の商社に就職しましたが、何か違うなと思い、1年で辞めてカナダのトロントに行き、1年半住んでいました。そこでは古着のバイヤーアシスタントをして生計を立てていました。この仕事は工場にある大量の古着からヴィンテージや流行の服をピックアップする仕事で、僕がいた時期はビックシルエットのものとか、企業のロゴが入ったTシャツ、モードっぽい服などをよくピックアップしていましたね。あとは、服やものを寄付するボックスが町の中にあり、それらを集めて売っている「Thrift」(スリフト)と言われるリサイクルショップに行き、そこで良さそうなものをピックアップしていました。


<↑トロントの風景 的山さん提供>

TAB)なかなかのサバイブ感がありますが、すごく楽しそうですね!ものを見る感覚が鍛えられそう。

的山)すごく楽しかったですね。いろんなお店を回っていたので服だけでなく、お店に置いてある家具やオブジェなども見つつ、、何となくですが、海外での買い付けの感覚みたいなものが出来たような気がします。トロントに住んでいた時、街の中のセレクトショップなどを探して遊びに行っていました。よく行った「SOUVENIR STUDIO」のオーナーと仲良くなって、地元のいろんな作家さんを紹介してもらいました。MATOYAで現在でも取り扱いのある「The Toronto INK Company」や「Akai Ceramics Studio」さんもそこで繋がった作家さんですね。帰国後、「MatoYa」という屋号を作り、トロントで繋がった作家さんの作品の販売を始めようと思い、岡崎市のセレクトショップ「Eins&Zwei」さんに相談して、お店で委託販売をしてもらいました。そこから日本の取り扱い作家さんも増えて東京の月島にある「S」さん(現在休業中)に持ち込みしてPOP-UP SHOPをさせてもらいました。その後、TABの事務所の2階にある南原食堂で行われた写真家の濱田君の展示に合わせたPOP-UP SHOPもしましたね。


<↑東京 月島にある「S」での展示風景>


<↑南原食堂で行われたKosuke Hamadaによる写真展「BIG COUNTRY」でのPOPUP-SHOPの風景>

TAB)そうですね。濱田君の展示は約2年前ですね。時がたつのが早い。。その後も美濃加茂にある「rofmia」さんなどでPOPUP SHOPや屋外イベントなどに参加されていましたよね。今後も移動して販売して行くのかなと思っていたのですが、現在の場所で店舗を持つことにしたのはどんなきっかけだったんですか?

的山)「S」さんでPOPUP SHOPをしていた時にたまたまやってきた「ろくろ舎」の酒井さんと出会い、MATOYAを気に入ってくれたことで「ろくろ舎」での展示も決まりました。その後、「ろくろ舎」で展示を行ったときに酒井さんと今後のことについて話していました。その時は自分は契約社員として仕事をしていたので、その期間が終ったら実店舗を始めようと考えていましたが、酒井さんに「その時間もったいないから、週末だけでもお店を始めたらいいじゃん!」とアドバイスしてもらって、確かに、、と思い、岡崎に帰ってすぐに物件を探しました。見つかった場所が今のMATOYAの場所で、すぐにTABさんに電話しましたね笑


<↑物件調査。既存のパーテーションを破壊し、現在のMATOYAの縦長の空間が現れた>

TAB)電話をもらった次の週には岡崎に来ていた気がしますね。物件に着いた時、ちょうど籠田公園が工事中で公園を眺めることができるいい立地だなぁと思いました。僕たちは全体の構成を示しつつ、サポート的な感じで動きましたね。解体や塗装、組み立てなど的山さんがほぼやってくれました!お店の什器は最後に一緒に作りましたね!お店ができるころには的山さんのDIYレベルがアップしていましたね。


<↑MATOYAの空間ができるまで。的山さん提供>

的山)お店をオープンしたときにMATOYAのロゴをトロントの「SOUVENIR STUDIO」のオーナーに新しくデザインしてもらいましたね。また、イベントを一緒に行った写真家の濱田くんに記事を書いてもらいました。その後オープンしてから10ヶ月で契約社員の期間が終了したので、週末営業だけではなく、通常営業に切り替えるタイミングで店舗のリニューアルをDIYで行い棚や壁面、什器などを増やしました。それから1年が経ち今に至ります。


<↑現在のMATOYAの店内>

TAB)MATOYAのインスタグラムでアップされる写真が綺麗でとてもいいなと思って見ているのですが、ご自身で撮影されているのですか?最近ではインテリアや雑貨などを取り扱う雑誌に掲載されてましたよね!MATOYAのブランディングについてお聞きしたいです。


<雑誌Brutusでの記事>

的山)写真は自分で撮影しています。ここの建物の南側の窓がすりガラスになっていて、太陽の光が柔らかく入ってきます。その光を利用して撮影しています。最近取り扱いの始まった作家さんの中にはMATOYAのウェブサイトやインスタグラム、取り扱う作家さんや商品などを見て、MATOYAのことを気に入ってくれてお取引きが始まった作家さんもいます。選んでもらえることは本当に嬉しいですし、励みにもなります。まだまだお店が始まって日が浅いのですが、SNSを通じて少しずつ認知してもらえるようになってきました。

TAB)今後の展望として、どんなことを考えていますか?

的山)2020年11月からはお取扱いのある作家さんの展示を行うギャラリー的な活動もしています。展示の時に作家さんと一緒に新しいプロダクトを作ったり、展示空間を作ったりしていきたいなと思っています。そうすることでMATOYAで展示をするときは変わったことができそうだなと思ってくれたらいいなと思っています。

11月はガラス作家の安藤さんの展示と「ろくろ舎」の酒井さんの展示を行いました。安藤さんの展示は安藤さんのガラス作品の世界観がわかるような大きなオブジェを空間に配置し、商品展示だけではない体験を作り出そうとチャレンジしました。


<↑ガラス作家 安藤里実さんの展示風景 >

また酒井さんの展示では「ろくろ舎」としての酒井さんではなく、職人としての酒井さんにフューチャーした展示を行い、展示初日にはMATOYAから徒歩2分のところにあるホテル「ANGLE」さんに協力していただいてトークセッションも行いました。


<↑ろくろ舎 酒井義夫さんの展示風景 >


<↑ろくろ舎 酒井義夫さんのトークセッション@ANGLE>

次回展示の日程としては、

2020/12/19 - 27
小黒ちはる 個展
初の単独個展となります。今回は新作の土器シリーズを中心に販売する予定です。


2021/1/9 - 17
永瀬二郎 個展
新作の椅子を今展で販売予定です。空間構成をちょこっとTABが担当しています。

12月19日から陶芸家の小黒ちはるさんの個展、年明け1月9日からアルミ作家の永瀬次郎さんの個展があります。今後も常設の商品も増やしつつ、ギャラリー的な活動も並行してMATOYAらしさをより色濃くしていきたいですね。


>>>
MATOYA
愛知県岡崎市籠田町12 渡辺ビル 3F
営業時間:11:00 ~ 19:00 (現在は短縮営業で18:00までとなっています。)
web : https://www.matoya.net/
instagram : @mato_ya


2020.12.11 information .

JIA新人賞2020 「SLBH1」が1次審査を通過しました!

SLBH1がJIA新人賞2020の1次審査を通過しました!
当日は設計を担当した河合が壇上に立ちます。
ZOOM配信もされるみたいですので、是非ご覧ください。

下記詳細です。
>>

JIA新人賞2020の1次審査が行われ、塚本由晴氏、福島加津也氏、五十嵐淳氏の3名の審査委員により、下記の方々が2次審査(プレゼンテーションと質疑応答)に選出され、この中から現地審査候補者が選ばれます。

2次審査:2020年10月31日(金)13:30~・Zoom配信
下記アドレスから入室ください。
https://us02web.zoom.us/j/83173866517
ミーテイングID:831 7386 6517

【1次審査通過者】
No.004
「SPACESPACE HOUSE」(香川貴範、岸上純子:SPACESPACE一級建築士事務所)
No.006
「JINS 京都寺町通」(中村竜治:㈱中村竜治建築設計事務所)
No.011
「河谷家の住宅」(髙橋一平:高橋一平建築事務所)
No.024
「宝性観音堂」(廣岡周平、柿木佑介:㈱PERSIMMON HILLS architects)
No.028
「SLBH1」(河合啓吾:㈱TAB)
No.052
「コンテナ町家」(魚谷繁礼:㈱魚谷繁礼建築研究所)
No.062
「面白法人 カヤック 新社屋」(谷尻誠、吉田愛:サポーズデザインオフィス)
No.070
「ミナガワビレッジ」(神本豊秋:㈱再生建築研究所)
No.071
「追手門学院大学 ACADEMIC-ARK」
(須部恭浩、永山j憲二:㈱三菱地所設計)
以上
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2020.10.27 information .

瑞穂の家 完成写真

瑞穂市にて建設中でした住宅が完成しました。
SLBH1のコンセプトのマイルドな部分を引き継いだ、シンプルかつ住んだ後のDIYを自発的に促すような間取り・納まりになってます。

住宅部分に併設して、独立したエントランスを設けたスモールショップ開設もできるワークスペースがあるのが特徴です。

2020.10.22 work .